2012年6月2日土曜日

スポーツ整形外科医S. Uのブログ Sports Physician S.U Blog


コンタクトスポーツにおける頭部外傷の特徴は、脳震盪を繰り返して起こしやすいこと、そして急性硬膜下血腫が死亡事故の大半を占めることの二点です。

脳震盪の予防の重要性について 少し述べてみましょう。

脳振盪は 一般的に画像診断学的に異常を呈さない、可逆的(治る)であるので、軽症であると思われがちです
機能障害が可逆的であるからといっても 脳振盪をくりかえすことにより 神経細胞がたくさん死んでいます。

1)脳振盪の症状

脳振盪は、頭部打撲直後から出現する神経機能障害であり、かつそれが一過性で完全に受傷前の状態に回復することをいいいます。

?頭部への直接外力に加えて、頭部へ伝搬する顔面、頸部、あるいは身体のどの部分に対する外力でも生じることが有ります

?典型的な脳振盪では、受傷直後に神経機能障害がおこり 短時間のうちに回復します

?神経病態学的変化(器質的脳損傷)を生じている可能性は否定できないが、急性期の臨床症状が可逆的であり、機能障害を反映しています。

?意識消失を伴う場合と伴わない場合など種々の臨床症状があるが 臨床症状、認知機能障害は時� ��とともに改善します。

?通常、画像診断では異常を示さない

以上が症状です。

2)脳震盪の分類

(1)重症度分類

Grade I:意識消失がなく神経活動レベルが変容 15分以下のもの
Grade II:意識消失がなく神経活動レベルの変容 15分以上のもの
Grade III 意識消失があったもの

(2)病態分類

国際スポーツ脳振盪会議が プラハでおこなわれたときに
脳振盪を単純型と 複雑型の二つに分類しています。

単純型脳振盪: 
症状が受傷後7〜10日までに改善するもの
神経心理学的検査は不要であり 現場ドクターやトレーナーで対応可能


CDCの肥満2004

複雑型脳震盪
?認知機能障害が長く続く
?脳振盪後のけいれんや1分以上の意識症h氏鵜tなどの特殊な減少を伴う
?繰り返して脳振盪を起こした場合
競技復帰までには慎重な対応が必要であり、詳細な神経心理が九手k伊検査や画像検査を行うべきである

私も柔道をしているときに脳震盪になったことがあります。
一瞬記憶が飛びました。幸いにも重症にはならずにすみました。

脳振盪を繰り返すとどうなるか?

脳振盪を繰り返す状況は圧倒的に多いことが報告されています。
脳振盪の既往が有る場合は 無い場合に比較h氏て 脳振盪をおこす確立が約3〜7割になるといいます。

1回の脳振盪により重篤な症状を呈することは少ないですが、セカンドインパクト症候群といって 重篤な状態に陥る場合が有ります。


セカンドインパクト症候群(Second Impact Syndrome)

軽症の脳震盪を受けた後、その症状が完全になくならないうち、あるいはなくなった直後に練習を再開して、二度目の外傷をうけて重篤な状態に陥る者をSecond ImpactSyndromeといいます。
二度目の外傷自体も軽度なものだた、選手は受傷後しばらく競技を続けた後、急激に昏睡城田におちいることがあり、死亡率は50%と報告されています。

川原らは、アメリカンフットボールによる頭部外傷のアンケート調査を行い、重症頭部外傷をおこした39例中(ほとんどが急性硬膜下血腫)、過半数の21例(54%)に受傷の前数週間以内に頭痛を主体と下脳振盪用の症状があったことを報告しています。
頭痛が予兆になることを強調しています。


DRダレルカーター花崗岩の滝分

おそらく最初のインパクトで 急性硬膜下血腫を起こしているが、出血がごく少量であるため 症状は脳振盪とは区別がつかず、急性硬膜か血腫と診断されないまま、競技を再開し、二度目のインパクトにより癒着した架橋静脈から致命的な大出血を起こしていたのではないかと考えられています。

この事実はスポーツ現場でも注意喚起しなければなりません。

3)脳振盪の予防の意義

脳振盪を予防することによって、脳振盪に続発しておこるセカンドインパクト症候群などを少なくすることができます。また脳振盪の予防が 急性硬膜下血腫を予防することにつながります。

急性硬膜下血腫は スポーツによる死亡事故の主因であり、ボクシ� ��グ、アメリカンフットボール、ラグビー、スノーボード、柔道などで多い報告されています。

アメリカンフットボール、ラグビーなどでは、境界が脳震盪予防をキャンペーンし、スポーツの現場に対して予防キャンペーンを行い効果をもたらしています

脳振盪の予防方法

脳振盪は アメリカンフットボールでの検討では
?競技年数が少ない初心者に多い
?発生率は試合中に多い
?夏合宿中に多い
?日本の発生率は アメリカの数倍 高率です。

これは他の競技でも似たような傾向に有るのではないかと思います。

予防対策としては
1)初心者のフルコンタクトの練習は特別な配慮を要する。
  柔道では しっかりとした受け身の獲得
  アメリカンフットボールやラグビーでは技術が向上するまでは特別な配慮をする。

2)フルコンタクトの練習は疲労が少ない状況で行う

3)水分は十分にとる
  脱水になると水分不足による脳脊髄液の減少をもたらし、頭部への衝撃の干渉作用を弱めるという説があります。

4)脳振盪をおこしたら すぐに競技を中止する。


ジョンソン郡カンザス州の痛み医療施設

現場での 専門家の関与も大切です。
ラグビーやアメフトは 会場にドクターがおり、競技中止などの判断が的確になされますが、他の競技はそうはいきません。

脳振盪の予防が明らかに、急性硬膜下血腫の予防につながります。

今後 各競技団体による更なる予防に対する対策を講じる必要が有ると考えています。

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Dr Soshi Uchida MD, PhD has been practicing his passion, orthopaedic surgery, for the last decade. The principles of sports medicine emphasize a comprehensive team approach in the conservative treatment of injuries with the goal of helping the patient return to a healthy state, and focuses on the prevention of new or recurrent injuries. When surgery is necessary, Dr. Uchida's specialty in arthroscopic techniques, especially hip arthroscopy, emphasizes less invasive surgery for a potentially easier and quicker recovery. These principles, initially developed for the competitive athlete, apply to all injuries whether they occur in the recreational environment, work place, or at home
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